てんぱのたわごと

ご覧の通り文章力がありませんがどうぞお付き合いください。主だって趣味のお話です。

PARAMUSHIR

 

”PARAMUSHIR”

6年ぶりにRのついた森崎博之演出の本公演は戦争モノだった。WARが大好きな私は観る前から勝手に期待値を爆上げしていた。叫びがちで激しい、男らしいNACSが見たかったんだ...!物語は終戦後に実際にあった出来事で、少し知識を入れていこうか迷ったが、複数回観られるということもあって、最初の1回はまっさらな状態で観ることにした(1回きりだったら確実に知識詰め込んでた)。最初に観たのは大阪公演。前方のかなり近い席で観ることができた。そして全てを観終わった私はというと、引くほどの大号泣(笑)舞台で嗚咽しながら泣いたのは初めてかもしれない…。内容はあとで触れるけど、「ごめんなさい」という気持ちが凄かった。この歴史を知らなくてごめんなさいって。感動と悲しみとは別に、無知だったことへの申し訳なさを感じていたのは私以外にもたくさんいるはず。舞台としてこの歴史を拡散する意味は確実にあった。授業でも習わないし、テレビでもあまり取れ上げられない、知らない人の方が多いのはたしか。ファンだけが知っててもな…と思ったので、ライビュは職場から2人連れていくことにした。どんな感想が出てくるのかな、とドキドキしつつ4/1を迎えたいと思う。カテコはというと、相変わらず余韻クラッシャーなNACSなので、涙引かないまんま大笑いするハメに…顔ぐっちゃぐちゃだわどうしてくれる。どんな舞台でも彼らは笑顔で帰してくれるね(笑)

 

えーここからはそこらへんにある陳腐な感想です。

ぶつぎり。

 

 

水島と桜庭

各公演で私を悶絶させてきたこの二人。一回観ただけでは分かりづらい関係性で、回を重ねるごとに発見があって楽しかった。二人は境遇が似ているが、水島が危惧していた未来を実際に迎えてしまっているのが桜庭という人だ。桜庭は東京大空襲で妻と二人の子供を亡くし、水島は函館に住む妻と子供が空襲の被害に晒されている。二人は出会ってから衝突が多かったが、実は一番心を通わせていたと思っていて。事あるごとに桜庭の感情を動かしてきたのは水島。

 

(セリフは要約)

水島「じゃあお前はどんな戦場を見てきたというんだ!」

桜庭「ガダルカナルだ。あれを本当の地獄というんだ。」

 

ここで初めて自分の話をする桜庭。おっ?

 

水島「もう戦いたくない。泣き叫ぶ娘の姿が目に浮かぶ。帰ってやれ、お前にも家族はいるだろう?」

桜庭「ガダルカナルから戻ると知らせが来た。3/10の東京大空襲で妻と二人の子供が亡くなったということだった。」

 

何事も不幸が水島の先を行く桜庭…。涙が出るのは本当の不幸ではない、と励ます桜庭…。そのときの水島には「お前より俺の方がよっぽど辛い目に合っている」って意味で聞こえてしまっているけれど。いろんな経験しすぎて感情の出し方が下手くそになってしまったんだね。本当の桜庭は優しい。

 

水島「これが最期の会話になるかもしれん。(自分の生い立ちを)話せよ。出身は?」

桜庭「夕張だ。炭鉱夫で終わるのが嫌で東京に出た。浅草で映写技師をやっていた。」

 

桜庭が思い出話を!ここからどんどん桜庭の人間らしいところが見えてきて、表情も柔らかくなっていく。ありがとう水島。心を開いたのは4人だけれど、きっかけを作ったのは水島だね。水島からのボールをキャッチしないお茶目な桜庭。雨降って地固まった二人…お互いのことわかってるけど近づきすぎたりしない感じがとってもゴルゴ。

 

最期の戦闘。チハの上の桜庭が撃たれた瞬間に「桜庭ーーーー!!!!!」と叫び、その隙を突かれて自分も撃たれてしまう水島。あんた…なかなか離れたところにいたのに見逃さなかったん…?今までほとんど無傷だった水島が撃たれた原因が桜庭という尊み。そして極めつけがモダンタイムス。ストーリー的には桜庭田中の名シーンだけれど、最後のいっちばん苦しいときに桜庭が「(辛い時こそ笑うんだ)」と隣の水島にスマイルするんだ…。そして苦しい顔していた水島がフッと笑顔になる。

水島「お前が泣くところ見てみたかったよ。」

桜庭「だったら生き延びろ。」

からのラストの

水島「桜庭、泣けたじゃないか。」

のコンボで私無事死亡。

自らでっかい死亡フラグ立て続けたせいで水島死んじゃってますけどね!!!もうやめて!って思うほどには...。あれ、後半なんか二人の話だっけ???って錯覚するくらいには桜庭水島で世界作っちゃってたよ私。最後霧が晴れて4人が降りてきてね、境界線の向こう側で微笑んどるわけですよ。あのあと、一人ぼっちになった桜庭に手を差し伸べたのが水島であってほしいな。ガダルカナルで地獄見て、家族失って、仲間も失って、シベリア抑留されて、やっと戻ってこれたけどひとりぼっちで、占守島の戦いがなかったことになっている世界で生きてた桜庭さんを連れてってあげて…。4人を目の前で失った桜庭の絶望感は計り知れないよ。

 

 

私は田中小宮矢野水島の順で最期を想像した。私の中の田中は、触れたら消えてしまいそう...なくらい最後弱ってる(笑)そして、子ゴルゴ脳で申し訳ないけど、やはり水島がラストかな。倒れてもう動けないんだけど桜庭の姿見て弱々しくスマイル浮かべる水島、とそれを見ることしかできない桜庭、という悲しくもドラマ的な都合のいいシーンを作り上げました勝手に(笑)生きてるときは戦争が邪魔して存分に打ち解けられなかったけど、天国では仲良くしていてほしい(これはラストシーンで桜庭が昇天したパターン)。

戦死して占守島に取り残された4人(他多数の兵士)を故郷に帰す役目も担っているし、水島と田中の家族と話さなければならないので、昇天してないラストの方がしっくりくるけど。

 

 

田中くんという人

ことごとく私の目を奪っていった田中…。あれは私がすごく好きなシゲ。かわいいシゲ。純粋無垢で儚い役やらせたら天下一だよ彼。なんで戦争してるかもわからずに兵隊に入って、飯が食えるって喜んでたんだよ…そんで最前線の竹田浜で襲撃に遭って怖い思いする。辛いけどハーモニカ吹きながら、前向きに生きてる田中が眩しい。最後にチハに5人でもたれかかっているシーンの田中がとても儚くて美しい。目を軽く閉じてあまり動かない。弱っていて今にも事切れそう。(回重ねるごとにそのシーンの田中がちょっとずつ元気になっていた気がしないでもないけど)なんでこんな純粋無垢な子が死ななければならないんだ!!!! 田中といえば、水島と田中も子供に会いたいパパ同士で結束してたな…。最後の戦闘で足を撃たれた田中を手当する水島のスピード感たるやあっぱれ。ナイチンゲール...。あと、田中といえばアンラッキースケベの件ですね(わかる人だけでいいです)。私はあえてアンラッキースケベですがね。

 

作中でチームだったり5人って言葉が象徴的に出てくるから、否応なしにNACSと重ねてしまう。生まれ変わりだったら…なんて話を周りとしていたけれど、そうだとしたら仲良くやってるな、よかったね…ってより彼らが尊くなる。

 

 

もっと書きたいことはあるけど疲れちゃったのでこの辺でやめますごめんなさい←

 

 

 

PARAMUSHIRの考察と歴史をまとめたものがありまして…複数人で編集してます。私が書いた部分なんてほんの一部でやくさんの功績がでかいです。素晴らしいです。おさらいとお勉強になります。

 PARAMUSHIRにおける年表 - Google ドキュメント

 

 

 4.3

お誕生日おめでとうございます。